こんにちは、絶賛無職のマスラオです。
タイトルにある通り、この8月で会社を辞めました。
新卒で入社した会社だったので、およそ2年半勤めたことになります。
この記事では、2年半の総括も含めて、
なぜ会社を辞めたのか、これからどうするのかについて、
個人的な考えを書いていこうと思います。
会社の状況等、かなり個人的な話も含まれますので、
「ふーん、そうなんだー」くらいの感じで読んでもらえればと思います。
なぜ会社を辞めるのか
さっそく本題に入ります。
私が会社を辞めようと思った理由は、大きく分けて4つあります。
並べてみたら意外と多かった(笑)
1. 仕事がつまらない
ずっと思っていました。
なんとなく、「仕事つまらないなー」と。
うちの会社は、一般企業の人事業務向けのシステム開発を行なっている会社です。
私は、もともと、システム開発自体に興味はあったのですが、
どちらかと言うと、企業向けのシステムではなく、
コンシューマ向けのアプリの方に興味がありました。
と言っても、完全に畑違いというわけでもなく、
コンシューマ向けでなくても、
「プログラミングやシステム設計の知識が身につくなら」と思い、
ご縁のあった前職に入社を決めました。
ところが、実際の入社後の業務は、カスタマーサポートやちょっとした不具合修正が中心で、
バリバリ自分でコードを書いたりすることはありませんでした。
入社後1年半くらい経って自分で機能を設計する機会をいただいたのですが、
それでも自分でコードを書くことはなく、設計書通りに実装(プログラミングして機能を実際に作り上げていく)するのはすべて協力会社の人たちの仕事でした。
自分は、協力会社の人たちの質問に答えるだけ。
あとは細かいドキュメントを作ったり、雑務に追われる日々になりました。
自分の頭で考えるような仕事はほとんどありませんでした。
正直言って、死ぬほど退屈でした。
2. 自分の成長が期待できない
上で書いたような退屈な状況の中で、働き始めて2年が経ち、
自分のなかにある知識で、大抵の問題はハンドリングできるようになっていました。
新たな問題が起こっても、自分の中にある知識と、
2年間で身につけたこの会社での立ち回り方のおかげで、
大抵の問題は自分の力で解決できるようになっていたのです。
それと同時に、意味のないことに時間を使っているという焦りもありました。
前職の会社を象徴する悪しき企業文化として、
「MTGでの決定事項をドキュメントで残さない」
というものがあります。
すでに説明したことや、合意を取ったことでも、資料として残っていないために、
後から「なんでそうなったんだっけ?」と聞かれることが多々あり、
その度に「いや、それ前に決めたじゃん……」と思いながら説明していました。
私は決定したことを、なるべくドキュメントに残すようにしていたのですが、
やはりそうしたドキュメントを確認してから質問する人も少なく、
すでに決定した事項の確認と説明に無駄な工数が使われていました。
規模の大きな会社に染み付いた「企業文化」は、外圧がなければなかなか変わりません。
1日のうちに、無駄な業務に使っている時間が多いように感じられ、
他業種の同年代と比べて、成長のスピードが遅いのではという焦りを感じていました。
3. 待遇が悪化した
ここ数年の業績悪化により、かなり待遇が悪化しました。
細かい福利厚生は挙げればキリがないので省略しますが、
一番大きなポイントは、給与が下がったことです。
とはいえ、業績悪化による給与カットは、仕方ないといえば仕方ないことです。
業績が悪いことの責任の一端が社員にもあることは間違いないですから。
ただ、その給与カットの口実が、「業績が悪化したから」ではなく、
「貢献できていない社員に自分の適正や仕事の仕方を考え直してもらう」ため
という名目で行われました。
そもそもこの「貢献できていない社員」がどのように選別されるかも不明確で、
明らかに業務効率を改善の良い人や、高パフォーマンスを発揮できている人でも
その対象になっていきました。
4. 会社を信用できなくなった
会社は嘘をつくものです。
会社が言う綺麗事だけを信じるほど、私はナイーブではありません。
それは100も承知でしたが、とうとう許容限度を超えてしまいました……。
ところで、みなさんは何のために働いていますか?
私たちは、会社に労働力を提供しており、その対価として給与をもらっています。
しかし、もし、労働力の対価が、「やりがい」や「成長」のみだったら、その会社で働きたいと思うでしょうか?
つまり、どんなに会社に対する忠誠心が高いように見える人でも、
サラリーマンである限りは、本源的には給与のために働いている、と私は信じているのです。
そして、資本主義においては、それが最も健全な形だと考えています。
その給与や処遇・報酬に関して嘘を重ねられたら、
私たちの働くモチベーションはどんどん下がっていきます。
この社会で働く上で、いちばん大事な部分をないがしろにされているのですから。
まとめ
今までの全部まとめます。
給与とやる気と成長機会が失われたのでやめます!!!
辞めてどうするのか
結論から言うと、「まだ」サラリーマン生活をやめるつもりはありません。
この2年半の間に、ある程度自分自身の性向というのもわかってきました。
予期されていたことではありましたが、集団に属することの面倒臭さはかなり感じました。
前職は、それでも比較的フラットな人が多く、人間関係的には楽な部類だったと思うのですが、
時折感じる「面倒臭い」という感情は、
会社という組織に所属するのをやめてフリーランスで食べていこうかなと考えさせるのに十分でした。
ただ、だからと言って、まだサラリーマンに希望を失ってはいません。
前職(1社目)が割と特殊な会社だったということもあり、
「サラリーマンってこんなものか」となるにはまだ早いとも思っています。
しばらくはのんびりして、10月からまた別の会社で働き始めます。
フリーランスになるという選択肢もあったのですが、
「サラリーマンで学べることがまだある」という判断から、転職することにしました。
こういう言い方は嫌いですが、リスクヘッジの側面もあります。
私は、収入を本業(今はサラリーマン)だけに依存しない生き方を目指していますが、
仮にサラリーマン以外の収入で十分やっていけるとしても、
サラリーマンの仕事を続けていく可能性があります。
それは、自らの肩書きと収入源をなるべく多く持っておくことで、
自分が挑戦できる領域が増えると考えているからです。
なので、少なくとも、あと2、3年はサラリーマンを続けるだろうと思っています。
もちろん、その間もちゃんとブログは更新し続けます!
新卒で入った会社を辞めるということ
ここからは、少し番外編になるかもしれません。
現在の日本では、年配の方を中心に、
「新卒で入った会社は定年まで勤め上げるべき」
という終身雇用の考え方が依然強く残っています。
一方、若い世代はと言うと、転職に関してそれほど抵抗がなく、
第二新卒という制度にも象徴されるように、人材市場の流動性は活発化しています。
これは、各世代間の会社(および国)に対する意識の差が表れたものだと思います。
たとえば、現在60代、70代の方々は、高度経済成長を経験しています。
実質GDPの平均成長率が、10%をうかがう勢いだった頃です。
40代、50代後半の方々は、その後の安定成長期に生まれ育ちました。
実質GDPの平均成長率は4.5%ほどで、80年代後半にはバブル景気もありました。
このあたりまでは、日本の成長が無限に続くのではないかという期待さえ持っていたのではないでしょうか。
一方、今の30代前半以下の世代、20代、10代の方々は、
こうした日本が大きく伸びていった経済成長の時期には立ちあえませんでした。
バブルの後、90年代から今までずっと続く低成長期に生まれ育ったのです。
GDPの成長率は年率1%ほどまで落ち込みました。
この世代に生まれた人たちは、日本というのは
「経済大国ではあるけれど、これから成長していく国ではない」
という意識が強いのではないでしょうか。
国や大企業の見通しについて、老齢世代ほど楽観的な見通しを持っていません。
日本も、日本企業も無限に成長していくと思われた時代に生まれ育った人たちと
だんだんと日本に元気がなくなってきた時代に生まれ育った人たちとの間で
国や企業に対する認識に差があるのは当然のことです。
自分は新卒で入社した会社を辞めることについて、不安はまったく感じませんでした。
最初から会社なんて数年単位で転々としていくものだと思っていたからです。
この時代に生まれ、この時代に育った人間の特有の感覚かもしれません。
新卒で入った会社を辞めることが忌避される時代はもう終わりました。
これからはむしろ、新卒で入った会社にずっとしがみつくことが問題になる時代です。
昔は、それほど能力が高くなくても、会社はずっと給与を与え続けれくれたかもしれませんが、今はそうではありません。
日本、日本企業の競争力低下と、グローバル化の波にのまれ、
私たちは、自分自身の能力を高めていくことでしか、安心できる手段はなくなっています。
「新卒で入った会社を辞めてはいけない」という旧態依然の思い込みを捨て、
どうしたら自分の能力を最大限伸ばすことができるか?
どうしたら自分が他者に必要とされる存在になれるか?
そのために自分は何をすべきか、どこにいるべきか?
を考えて、行動に移すことが、最も重要なことではないかと考えます。
会社を辞めようか迷っている人へ
この記事を読んでくださる方の中には、
私と同じように入社数年で、新卒で入った会社を辞めた方、もしくは辞めようか迷っている方がいらっしゃるかもしれません。
今現在、会社を辞めようか迷っている方へアドバイスできるとしたら、
自分が求めるコアバリューは何なのかを考え、それから行動に移すべきだということです。
上述した通り、
日本あるいは日本企業で働いていれば一生安泰という時代は終わっています。
シャープも東芝も、20年前は世界でも名だたる大企業でしたが、
今では見る影もありません。
会社に依存するのではなく、自分の将来を考え、良い意味で会社を利用しなければ生き残っていけません。
今の会社であと3年働いたとき、5年働いたとき、10年働いたときと
期間を区切って考えてみてください。
3年後、5年後、10年後に、今の自分が理想とする自分になれているでしょうか?
今の環境で努力することも大事ですが、
同時に今の会社のポテンシャルを冷静に判断することも重要です。
もし、今の会社でずっとやっていくことで、
得たい能力・給与・人間関係が得られるのだとしたら、
当面はその会社で働くという選択をしても良いと思います。
しかし、もし何か納得できない点があるのだとしたら、
それを補うにはどうしたら良いのか考え、
そのために転職という選択をするということはまったく悪いことではありません。
繰り返しますが、もはや終身雇用の時代は終わっています。
今後はますます人材の流動化は活発化していくでしょう。
転職自体はまったくリスクではありません。
むしろ、動かないことがリスクになる時代が到来しているのです。