イタリア問題が為替に与える影響について(ちょっとしたまとめ)

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こんにちは、マスラオです。

何が起こってるかよくわからない!って人&自分の理解用に、今回のイタリア問題に関する問題点について簡単にまとめてみました。

 

ざっくり言うと

・イタリアの財政赤字問題に端を発する為替(&債権)市場の不安定化が進んでいます

・為替市場においては、9月後半から円高・ドル高・ユーロ安という形で影響が表れています

・政権不安がこの問題に直結しているので、しばらくは不安定な相場が続きそうです

 

金融不安に至るまでの流れ

上記「ざっくり言うと」に至るまでの、政権発足以後のイタリア関連トピックスを時系列で見ていきます。

 

2018年6月

コンテ首相が就任します。

発足した新政権は、いわゆる「ポピュリズム(大衆迎合主義)」政党である「五つ星運動」と極右「同盟」の連立政権です。

政権発足当時から、反EU的姿勢とばらまき政策による放漫財政に懸念が抱かれていました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31500180X00C18A6FF1000/

 

基本的に、EUは政治的にも財政的にも一枚岩であることが望ましいとされますが、

新政権は、EUの厳しい財政規律に批判的で、歳出拡大による経済成長を目論んでいました。

財政赤字を抱えつつも、EUの財政規律は守る気がなく、積極的な財政出動を行うことを最初から明言していたのであれば、現在の状況は目に見えていたとも言えます。

私は、この6月の政権発足を、今回の問題の直近の端緒と考えています。

 

~9月中旬

この辺りの期間で、政権が19年予算を策定しています。

ちなみに、政権発足以降、9月1日までに、イタリア国債の金利は20%以上上昇しています。

金利が上昇しているということは、債権価格は下落しているということです。

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ご覧のように、5月半ばまでは、1台で推移していた国債金利が、5月中旬以降急上昇しています。

新政権とイタリア経済に対する不安が、チャートに如実に表れていますね。

 

9月24日

政権が27日までに提示する見通しの予算案に対し、疑問の報道が出ます。

EUの規則では、財政赤字は国内総生産(GDP)比3%以内に収めることが求められます。

そこで財政赤字がEU規則の国内総生産(GDP)比3%以内に収まっていたとしても、裏付けのある基調的な成長見通しに基づいているのかを投資家は細部から探り出すだろう。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-24/PFK3A86S972B01

 

そもそもイタリアは、この規律を守る気があるのか?

守ったとして、その目標に実現可能性を見出すことができるか?というところに疑問符がついています。

ちょうどこの辺りから、対円・ドルでユーロが下落を始めます。

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9月27日

イタリア連立政権が、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2.4%とすることで合意。

政権を構成する「五つ星運動」と「同盟」が、同比率を2.4%近辺とすることを求めていたのに対し、

トリア経済・財務相は2%以下に抑えるべきで、1.6%以下に抑えることも可能だと主張していましたとのことですが、最終的には、トリア氏が譲歩することになりました。

https://jp.reuters.com/article/italy-budget-idJPKCN1M72RC

 

EUの財政規律に適合する3%以内ではあるのですが、市場からしたら物足りなかったということでしょうか。

27日にも、ユーロは大きく値を下げています。

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(ちなみに、EUR/JPYも値を下げていますが、ユーロ以外では円安進行中だったこともあり、EUR/USDほどの下げ幅はありませんでした)

 

10月2日

ディマティオ副首相「政府は予算計画を堅持する」

 

10月3日

ここにきて政権が若干譲歩を見せます。(譲歩というより、予想外の市場の反応を見て「必要に迫られてそうした」という感じでしょうが)

政権は、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2%に減らすことを約束する見込みであるとイタリア紙が閣議の内容を基に報じました。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-03/PG07HL6K50XS01

 

この報道をきっかけに、10月3日は、対円・ドルで若干反発を見せます。

が、その後は引き続き下落基調です。歯止めがかかりません。

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今後為替に与える影響について

すでに兆候は見えていますが、このままイタリア問題が長引くようだと、さらなるドル高・円高・ユーロ安に拍車がかかる可能性もあります。

イタリアの国際的な信用度を考えると、対処療法的な措置では大きな流れを変えることができないと考えています。

財政の安定化に向けて、実行可能な数値が示されなければ、しばらくはこの傾向が続く可能性があります。