こんにちは、マスラオです。
スイスフランは、主要通貨の中では影が薄い印象がありますが、
FXで稼ぐためには意外と安定した狙い目通貨です。
今回は、そんなスイスフランについて、その特徴と稼ぐコツについて見ていきましょう。
スイスフランってどんな通貨?
スイスフランとは
スイスフランは、スイスとリヒテンシュタインの通貨です。
また、イタリアの飛地カンピョーネ・ディターリアとドイツの飛地ビュージンゲンで使用される通貨でもあります。
ちなみに、スイスはEU非加盟国であることから、これらの飛地はEU関税同盟に含まれません。
実質2カ国で使われているのが、スイスフランです。

なぜ「CHF」と呼ばれるのか
チャート上では、「CHF」と表記されるのがスイスフランです。
CHFとは、「Confoederatio Helvetica Franc」(コンフォエデラティオ・ヘルベチア・フラン)の略です。
「Franc」の部分は、通貨名称だから良いとして、その前の「Confoederatio Helvetica」の部分は何なのでしょうか。
実は、「Confoederatio Helvetica」は「スイス連邦」を意味しています。
スイスの英語名称は、Switzerlandですが、スイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語であり、
国内で国名表記するときにこの4つを書き連ねるのは大変です。
そのため、ラテン語の旧国名「Helvetica」(ヘルベチア)を利用することで、
複数の言語で国名を表記する手間を減らし、
「連邦」を意味する「Confoederatio」と合わせてCHと略しているのです。
今まで何となく、「CH」=スイス、「F」=フランだと解釈していたのですが、
実はこんな複雑な経緯があってCHFという略称が決定されていたのですね。
CHFの特徴
信頼性が高い避難通貨
政治経済情勢が不安定なときに、安定した通貨である円に投資資金を移すことを指して、
「有事の円買い」という言葉が使われてきました。
現在でも、「有事の円買い」が当てはまるかどうかはともかく、
CHFは、そのようなJPYと同じく、有事の際の避難通貨と目されています。
スイスは、軍事的には永世中立国であり、かつ経済的にはEUから独立しています。
(ただし主要な貿易相手国はEU国であるため、完全に自立しているわけではなく一定の影響は受けます)
そのため、政治的にも経済的にも、比較的他国の影響を受けにくいという点で、
リスクオフ相場では買いが先行し、リスクオン相場では売りが先行する傾向にあります。
近年では、2001年の同時多発テロ、2003年のイラク戦争勃発、2006年の北朝鮮ミサイル、レバノン侵攻に際してCHF買いが活発化しました。
超低金利通貨
低金利ではありません。「超」低金利です。
2014年以降の現在までの数年間は、金利が-1%から1%あたりで推移しています。
この期間に金利がマイナスだったことがある主要国は、スイス以外には日本だけです。
日本がマイナス金利政策を行っていたのはほんの一時期のみなので、
恒常的にマイナス金利であるCHFの特異さが際立ちます。
CHFがマイナス金利である理由としては、国民の倹約志向などから、インフレ率とインフレ可能性が低いことが挙げられます。
ただし、2020年は若干のインフレ傾向が予測されており、利上げが示唆されています。
それでも、アメリカやオーストラリアのように、高金利になることはないでしょう。
上記のように、低金利政策を取っていることから、FXにおいては、長期保有には向かない通貨だとされています。
CHFでエントリーする際には、他通貨とのキャリートレード(高い金利の通貨を買い、低い金利の通貨を売る)が目的にされることが多いです。
金相場と高い関連性
スイスは、世界第4位の金保有国です。
下のグラフは、外貨準備高のランキングで、正確には金だけでなく預金や証券も含まれるのですが、
この外貨準備高ランキングでも世界3位に位置していますね。
ちなみに、国民一人当たりの金保有量は、2位以下を大きく引き離してナンバーワンです。
スイス経済は100年単位で安定していたため、スイス政府は歴史的に着々と金の準備高を増やしてきました。
二度の大戦でもそれほど被害を受けることがなく、戦後の復興資金にも金を使う必要がなく、
また、1999年まで、スイス国立銀行は金の売却を許されなかったという事情もありました。
金は、通貨以上の超安定資産として、各国の中央銀行に保有されていますが、
CHFの安全性とあいまって、金相場とCHF相場は連動した動きをしやすいのです。
CHFで稼ぐコツ
長期保有はせず、短期トレードまたはキャリートレードを心がける
超低金利であることから、買いポジションで長期間持てば持つほどスワップ損失は大きくなります。
そのため、スワップ狙いの長期保有には適していません。
逆に、高金利通貨を買って、CHFを売るような通貨ペアの取引には適しています。
たとえば、以下のような通貨ペアです。
- AUD/CHF
- NZD/CHF
- GBP/CHF
- USD/CHF
AUDやNZD、USDなどは金利も高いため、特に相性の良い通貨と言えます。
政治経済情勢にアンテナを張る
リスクオン市場では特に売っておきたい通貨です。
CHFは、新興国通貨などリスクオン市場で伸びる他の通貨と違い、政治も経済も安定していることが大きな強みです。
たとえば、TRY(トルコリラ)やZAR(南アフリカランド)などは、
スワップポイントも高く、リスクオン市場では真っ先に資金が集中する通貨です。
しかし、ご存知の通り、スワップ通貨が高いのには必ず理由があります。
政治的・経済的に不安定な新興国の通貨は、一つのトピックに大きく相場が引きずられることが多く、
「昨日100万円の含み益があったのに、今日はマイナス100万円になっている」というようなことが少なくありません。
一方、CHFは、リスクオン・リスクオフ市場で、それぞれわかりやすい動きを見せながらも、
情勢に変化があった場合でも、急に大きく変動することはありません。
そのため、一攫千金というよりは、長期的な情勢観のもと、じわじわ利益を伸ばしていくのに向いている通貨です。
実はEUの影響は受けにくい
「地政学的にEUの影響を受けやすいのでは」という意見があるかもしれません。
確かに「まったく受けない」とは言えないのですが、
それでもGBPなどと比べるとEUの動きの影響は限定的です。
これには、スイスがEUに加盟しておらず、今後も加盟しないであろうとの見込みが強いことが理由なのですが、
直近だと、ブレグジットのゴタゴタにも巻き込まれず、他通貨に対して少しずつ値を切り下げています。
まとめ
- 避難通貨の代表格であり、リスクオンでは売りで持ち、リスクオフでは買いで持ちたい
- 超低金利通貨なので、スワップを狙った長期保有には不向き
- 唯我独尊の強みを見せるCHF。安定した値動きは意外にもFX初心者向き
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