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【悲報】読書量を増やしても年収は上がりません【量より質】

こんにちは、マスラオです。

先日、以下のツイートをしました。

 

 

今回は、読書と年収の相関関係について調べた上で、

どのような読書が「質が高い」と言えるかについて書きます。

 

 

読書と年収の相関は存在するのか

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一時期、SNSなどで盛んに取り上げられましたが、

読書量が多い人ほど、年収が高いという研究結果が複数存在するようです。

Googleで「読書 年収」でサーチし、ヒットした研究結果を確認してみます。

 

日経新聞調査

一次ソースは見つけられませんでしたが、2009年に行われた調査のようです。

調査によると、書籍購入額と年収の間に以下の通り相関が認められるということです。

 

・年収800万円以上の人は、月の書籍購入金額が2910円

・年収400〜800万円の人は、月の書籍購入金額が2557円

・年収400万円未満の人は、月の書籍購入金額が1914円

 

「書籍購入金額」ですので、実際の読書量とは限りません。

単純に、「可処分所得が増えれば本に費やせる金額も増える」ことを示しているだけのような気もします。

 

PRESIDENT調査

こちらも一次ソースは見つけられませんでしたが、多くのブログで引用されていました。

PRESIDENT ONLINEがインターネットアンケートにより調査した結果のようです。

この調査によると、月に4冊以上本を読む人の割合は、以下の分布で存在します。

 

・年収1500万円以上:34.6%

・年収800万円台:17.8%

・年収500万円台:17%

 

年収900万円台〜1400万円台・600万円台〜700万円台の人と400万円台以下の人が

ごっそり統計から抜け落ちているのが気になるところですが、

こちらの調査でも、年収が多いほど読書量が多いということのようです。

購入金額ではなく、読む冊数なので、実際にこれだけの本を読んでいるということはわかりますが、

読んでいる本の内容には踏み込んでいないようです。

 

Business Management Degree調査

もう一つ。こちらは海外の調査です。

以下で定義される「富裕層」には、ビルゲイツやウォーレンバフェットなどが含まれるようです。

 

・富裕層の88%が1日30分以上本を読む。(年収300万以下層は2%)

・富裕層の86%が読書家である。(年収300万以下層は26%)

・富裕層の63%が移動中にオーディオブックを聴いている。(年収300万以下層は5%)

 

「富裕層」ほど読書が習慣化していることがわかりますね。 

ただし、この調査でも読んでいる本の内容には触れられていません。

 

読書を年収アップに結びつけるには読書の「質」をあげること

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上記調査結果を見る限り、読書と年収には相関関係があると言えそうです。

ただし、単純に「読書すればするほど年収がアップする」と考えるのではなく、

以下の2つの内容に留意しておかなければいけません。

 

1. 調査では、読書と年収の因果関係が示されていない

2. 調査では読書の内容に踏み込んでいない

 

読書好きが金持ちなのか、金持ちが読書好きなのか

読書と年収は相関しているようですが、因果関係があるかは判断できません。

お金持ちがたまたま読書が好きなのか、読書が好きだからお金持ちになったのかは、

読書量と年収をプロットしたグラフからでは判断できないからです。

 

例えば、低所得者の読書量が少ないのは、本を買うためのお金がないためだったり、

肉体労働をしていて、読書する体力が残っていないためかもしれません。

反対に、高所得者の読書量が多いのは、大学で卒業論文を書くときに読書が習慣になり、

そのときの習慣から社会人になっても本を読み続けているためかもしれないのです。

 

読書の質は担保されるか 

同様に、これらの調査では、読書内容について踏み込んでいません。

読んでいる本が、漫画なのか、学術書なのか、絵本なのかで読める量も変わります。

読書量では測れないのが、インプットされる情報の質です。

 

もし、読書から年収アップに通ずる何かを引き出そうとするのであれば、

読書量よりも、その本の内容=読書の質にこだわりましょう。

 

読書を価値に変えるために気をつけるべきこと

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では、読書の質を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか。

単純に読書量を増やすだけでは、玉石混交の雑駁な知識が溜まっていくだけです。

 

もっとも大事なのは、「目的意識を持って読書する」ということです。

 

たとえば、Javaのライブラリの使用方法が知りたいのに、

Javaの基本文法の参考書や、オブジェクト志向の解説本を読んでも意味がありません。

ライブラリについて知りたいならば、ライブラリの本を読むべきなのです。

何となく関連していそうな本を読んだだけで勉強した気になるのが一番危険です。 

 

第一段階として、どんな目的で本を読むかを意識して本のジャンルを選びましょう。

その上で、第二段階として気をつけるべきポイントは以下の3つです。

 

1. 著者は信用のおける人物か

2. 客観的なデータが引用されているか

3. 行間が異常に空きすぎていないか

 

著者は信用のおける人物か

著者で本を選んでも良いくらい著者は重要です。

その本に書いてある内容が信用できるかどうかは、著者の信用とイコールです。

著者について気をつけるべきポイントは以下の2点です。

 

・著者が本名(または名の知れた筆名)を公開しているか

・学術的なバックグラウンドがあり、専門分野で評価を得ているか

 

「名前が知られている」ということは、第一人者であるか、

その分野では比較する人がいないほど飛び抜けているということです。 

 

また、学術的なバックグラウンドがあることも重要です。

たとえば、大学教授であれば、たとえ名前を知らなかったとしても、

専門分野で論文の査読が通り、大学内や学会でも一定のポジションを築いており、

さらに一般書が出せるほど大衆に受け入れられる余地があるということなので、

「信用のおける著者」と見なせるでしょう。

 

客観的なデータが引用されているか

書かれている内容が、単なる感想になっていないか注意を払う必要があります。

ひろゆき氏の「あなたの感想ですよね?」という言葉がネットで流行りましたが、

実証データに基づかない主張は、単なる個人的な感想です。

 

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著者の主張に、論文なり統計調査なりの裏付けがあるか注意しましょう。

もちろん、すべての文章に注釈があっては、学術書になってしまいますが、

少なくとも、著者のコアとなる主張に何の裏付けもないのはNGです。

 

行間が不自然に空きすぎていないか

最近粗製乱造されている自己啓発書・ビジネス書系にありがちですが、

ページ数を稼ぐためなのか、行間が空きすぎている本があります。

私も興味本位で何冊かそのような本を読みましたが、光の速さで読めます。

200ページあっても10分くらいで全部読み終わります。

 

他にも口語体で書くことで、会話を多くし、改行で行を稼いだり、

意味のないセリフ調の文章で、文字数をカサ増ししたりといった手段が常套です。

 

こうした本を読むことで、読書「量」は増やせるかもしれませんが、 

お金を出して情報を買っているのに、情報が薄ければ何の意味もありません。

 

価値ある読書を実現するためのオススメ本2冊

1. ピエール・バイヤール『読んだことのない本について堂々と語る方法』

タイトルは色物っぽいですが、真面目な読書術の本です。

脳内図書館を作り、本と本との関連性マップを作りながら本を読むことで、

読んだことのない本でもそのマップに当てはめていくことができるようになるという内容です。

読んでいる内容が、「知」全体のどこに位置するかを意識することで、

読むスピードと理解力を上げることができます。

 

2. 西内啓『統計学が最強の学問である』

私たちが「それっぽい言説」や「なんとなく正しく見えるデータ」に騙されないようにするためにどうすれば良いか。

主に統計学の手法を紹介する本ですが、

日常に溢れる虚実不明な説の真偽を確かめるために、証拠をどう検証すべきかという

健全な批判精神を持つ上で参考になります。

仕事にも活かせる考え方が豊富でオススメです。