こんにちは、マスラオです。
私が東京大学を卒業してから、5年近く経ちます。
仕事でもプライベートでも、母校の人と話す機会が多いのですが、
接していてわかった、東大生(卒業生含む)に共通する特徴を書こうと思います。
身近に東大出身者がいる方は、彼らとの付き合い方の参考にしてみてください。
東大生は、自分のことをどう見ているか
ぶっちゃけ、東大生の多くは、自分自身のことを「普通の人」だと思っています。
なぜなら、「東大生である」ためには、下記2つの条件を満たすだけで良いからです。
1. 東大を志願すること
2. 入学試験を受け、合格基準点を超えること
たったこれだけのことをしただけなので、自分たちのことを凄いとは思っていません。
東大に合格するのは、どのくらい難しいのか
一般的に、志願者数に対して定員が少ないほど倍率が上がります。
倍率が上がるということは、合格難度が上がるということです。
東京大学の平成31年度の志願者数と定員・倍率は、下図の通りです。
もっとも低い理科一類の倍率は約2.63倍、もっとも高い理科三類でも4.18倍です。
その横に「第1段階選抜倍率」とありますが、これは足切り後の倍率です。
意外に低いと思った方もいるのではないでしょうか。
理科一類であれば、倍率だけ見ると、2.6人に一人は合格する、
つまり5人に2人程度は合格するということなんですね。
東大受験は「コスパが良い」
他の難関試験と比べると、東大合格の倍率は決して高くありません。
たとえば、司法試験の志願者数と合格率から見る倍率は以下のような感じです。
平均すると、大体4倍強ですね。
他にも、会計系最難関と言われる公認会計士試験は以下のような感じです。
志願者数が1万人を超えますが、合格者数は1000人強と、
倍率はおよそ9倍で、9人に1人しか合格することができません。
いずれも東大受験の倍率より高いです。
絶対評価と相対評価の違いや、試験勉強にかける時間など差異はありますが、
受験者数に対する合格率の割合では、東大はむしろ高いことがわかります。
世間では、東大卒は弁護士や公認会計士よりもすごいと思われがちです。
実際の難度よりも難しいイメージをもたれるのが、東大合格のメリットです。
東大のコスパの良さについては、ホリエモンも度々言及していますね。
成績優秀者が全員東大を受けるわけではない
東大の入学難度が日本最難関であるという事実は否定しませんが、
東大以外にも素晴らしい大学はたくさんあります。
たとえば、東京であれば、文系なら一橋大、理系なら東工大といったように、
東大に勝るとも劣らない大学があります。
地方であれば、京大をはじめとする旧帝大や、独自の魅力を持つ筑波大、近畿大など、
住んでいる地域や、研究の指向性によって、様々な大学が候補に上がります。
単純に、高校3年生の上位○%は東大を受験して、次の○%は京大を受験して……
というように紋切り型で受験する大学が決まるわけではないのです。
私も地方の進学校から東大に進学しましたが、同級生には私よりも成績が良い人がたくさんいましたが、
東大ではなく他の大学を受験する人が多かった印象があります。
成績優秀者が皆東大を受けるのではなく、「東大に行きたいやつが東大を受ける」
という点を認識することが重要です。
「東大生」を演じる東大生
さて、東大は、世間が持つイメージよりは難関でないことがわかりましたが、
一方で、東大生に対するステレオタイプ的な見方というのは依然存在します。
最近では、『さんまの東大方程式』や『東大王』など、
東大と東大生にフィーチャーする番組が数多く作られていますが、
そこに登場する東大生たちは皆同じように見えるのは私だけでしょうか?
テレビ向けのキャラクターを演じる
東大生は割とサービス精神旺盛な人が多いので、自分が求められた役割を理解すると
その役割を一生懸命果たそうとします。
たとえば、東大生について以下のようなイメージを持つ人が多いと思いますが、
番組に出演する東大生は、こうしたイメージに沿って発言することがあります。
・どんな時でも勉強。隙間時間があれば参考書を開く
・恋愛に奥手で、女性とまともに付き合ったことがない
・人の気持ちがわからないサイコパス
・喋るスピードが速く、滑舌が悪い
・1の質問に対して、10以上で返してくる
ネガティブなものもポジティブなものもありますが、
大体テレビで見る東大生のイメージは、上記のようなものではないでしょうか。
ステレオタイプな東大生はごく少数
テレビに映る東大生は、東大生の中でも特殊な人間か、
あるいはテレビ向けに「東大生」を演じている学生が大多数です。
その背後にいる膨大な数の「普通の」東大生には焦点があたりませんが、
彼らはそこらへんにいる大学生とまったく変わりません。
俳優やお笑い芸人を見る時と同じく、TVショーの中の一人物として
「東大生」を演じていると考えた方が東大生の実態には把握しやすいです。
東大生は、温和で怒らない人が多い
それでは、東大生の本当のアイデンティティはどこにあるのでしょうか。
東大生に長年接してきて感じた一つの特徴は、「東大生は怒らない」ということです。
私が考えるに、それには以下3つの理由があります。
1. 怒っても問題は解決しない
2. 「自分は自分、人は人」と考える
3. 実家が裕福で、育ちが良い
怒るよりも考える方が重要
誰かに対して怒る時間は、「無駄」です。
怒っている時間は、怒っている方も怒られている方も何も仕事が手につきません。
それよりは、建設的な打開策を出す方が重要なのです。
論理的に考えればわかることですが、多くの人は感情に任せて怒りを発散してしまい、
根本的な解決から遠ざかってしまいます。
東大の二次試験は、問題の量がとにかく多いことが特徴として挙げられますが、
合格点に達するためには、ある程度の見切りも重要です。
一つの問題にとらわれて時間をロスするのではなく、
考えてもわからないものはさっさと切り捨てて次の問題に行くのが得策なのです。
そうした訓練を普段から受けているからこそ、
感情と論理を分けて考えることができるのかもしれません。
自分は自分、人は人の精神
東大生は、多様な価値観に触れて育ってきた人が多いため、
人の数だけ異なるバックグラウンドと考え方があることを知っています。
そのため、頭にくることがあっても、「なぜ、その人はそのような行動をとったか」
ということを考え、人に対して怒りを発散したいという欲求は生まれにくいです。
行動に対して価値判断を下すのではなく、「意味」を考えることが重要です。
実家が裕福で、育ちが良い人
東大に入学するためには、親の年収が1000万円必要だという記事が昔ありました。
実際には親の年収が1000万円なくても、東大に入る人はたくさんいるのですが、
それでも実家が裕福な人が多いのは事実です。
「金持ち喧嘩せず」の論理で、相手に敵意をむき出しにすることはありません。
自分が満ち足りているのであれば、あえてリスクをとって他人と対立する必要はないからです。
温和だけど負けず嫌いの面はある
ただし、温和と言っても、何も考えていないわけではありません。
彼らの多くは受験勉強を頑張って東大に入ったという自負があるので、
自分のことを、ちょっとやそっとのことでは根をあげない人物だと思っています。
そのため、身の回りにすごい人がいると、「自分にも同じことができるはずだ」
と考え、実際にその人に近づくための努力をします。
この「努力できる力」が、東大生の凄さとも言えるかもしれません。
表面上は平静を装いつつも、内なる闘志を燃やすタイプ
東大生には、割とこのタイプが多いです。
いわゆる、試験当日に「何も勉強してないわー」とか言いながら100点取るやつです。
ただし、「努力することが恥ずかしい」と考えているわけではなく、
努力することは当たり前なので、表立ってそれを言わないだけです。
わかりやすく闘志を燃やすタイプ
「次は絶対に勝つ」という風に宣言して、自分を追い込むタイプです。
他人の目があるため、必然的に努力せざるを得ず、結果として成果を出すタイプです。
東大生と上手く付き合っていく方法
知的好奇心旺盛な人が多いため、新しい知識を教えてあげると喜びます。
また、一般的に「東大生はプライドが高い」と思われがちですが、
大部分の東大生は新しい知識や価値観を授けてくれる人に対して、尊敬の念をもって接します。
積極的に話しかけて、色々教えてあげると信頼関係が築けると思います。
ちなみに、もし東大に入りたければ『ドラゴン桜』を読むことをオススメします。
私も中学時代読み、東大についての知識をここから得ました。
勉強法も大いに参考になります。