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終身雇用崩壊。それでも大企業が選ばれる3つの理由

こんにちは、マスラオです。

 

日本企業の国際的競争力が失われ、多くの企業が厳しい状況に立たされていますが、

今だに就活市場では、日本的大企業がそれなりの人気を保っている様子です。

 

 

理想と現実から見る東大生の就職状況

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大学生の卒業後の就職先トレンドはどうなっているでしょうか。

日本最高峰の大学の一つである東京大学の学生の就活状況について調べてみました。

 

コンサルティング会社の人気が上昇

以下は、東大生・京大生を対象にした就活サイトのお気に入り登録数ランキングです。

とりあえず、お気に入り=志望企業と認識してOKです。

 

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株式会社ワンキャリアによる東大生・京大生を対象にした就職人気企業ランキング

 

結果を見ると、上位10社中8社がコンサルティング会社となっています。

 

1. マッキンゼーアンドカンパニー

2. ボストンコンサルティンググループ

3. ベインアンドカンパニー

4. 野村総合研究所

5. アクセンチュア

6. A.T.カーニー

10. デロイトトーマツコンサルティング

10. 経営共創基盤(IGPI)

 

このうち、マッキンゼー、ボストンコンサルティング、ベインアンドカンパニーの

いわゆるトップティアのコンサルティング会社3社は元々根強い人気がありました。

特筆すべきは、野村総研やデロイトなど、総合コンサルと呼ばれる、

戦略立案から実行支援までを包括的に行うコンサルの人気が上昇したことです。

 

実際、東大生はコンサルティング会社に就職しているのか

実際の東大生の就職状況はどうかというと、コンサル会社はほぼランクインしません。

ところどころに名前は出てくるものの、ランクインしたのは、

文系では17位までに、アクセンチュア、マッキンゼー、野村総研の3社、

理系では、アクセンチュア、野村総研の2社のみです。(IBMを入れれば3社)

 

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東京大学新聞社調査 2017年度就職状況

 

文系では銀行や総合商社が、理系ではメーカーが、依然就職先として人気であることがわかります。

 

なぜ東大生は日本的大企業を選ぶのか

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銀行が好きすぎる東大生

以下は、東京大学新聞調査による学部別就職先ランキングです。

 

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東京大学新聞社調査 学部卒業者就職先トップ3

 

2016年度までの調査ですが、どの年度を見ても銀行がトップ3に入っており、

2007年度、13年度、16年度に至っては、トップ3すべてが銀行で占められています。

 

東大生の銀行志向は顕著ですが、これには3つの理由が考えられます。

 

1. 新卒採用の人数が多いため、就職しやすい

2. 東大出身者が多く就職しており、安心感がある

3. 年収と社会的地位が高く、世間体が良い

 

まず、銀行の採用人数は、他の企業と比べて非常に多いです。

メガバンクは、年度ごとに数百人単位で新卒の総合職を採用します。 

また、東大卒業生が多く在籍しており、OBに頼りやすいという安心感があるのと、

「お堅い」職業であるため、親や親戚からの評判が良いという理由が考えられます。

 

やりたいことがない東大生

上記東大新聞の記事の中では、実際に東大生にインタビューしています。

 

就活を控えた現在も特にやりたい仕事はないというが、銀行に内定したサークルの先輩の話を聞く中で「銀行は学歴を重視するらしいから、こんな自分でも大丈夫かな」と銀行を「何となく」視野に入れている。

 

明確な目的ややりたいことがあるために志望するわけではなく、

「なんとなく」の滑り止めとして銀行は選ばれやすいということなのです。

滑り止めとして選ばれやすいのは、採用人数、安心感、世間体のためでしょう。

 

Uターン就職する人は案外いる

上記就職状況データは民間企業のデータですが、公務員になる東大生も多くいます。

それも、中央省庁ではなく、地方公務員になる人が一定数います。

多くは、地方の公立高校から東大に進学した人たちですが、

大学卒業後、地元に戻って、県庁や市役所などで地元に貢献するのです。

 

地方でも東大のブランド力は、かなり強いです。

私の友人にも、地方銀行の内定を辞退しようとしたら、頭取がわざわざ家まで来て

ぜひ入社してほしいと頼みに来たことがあるです。

 

親方日の丸や、地元の基盤を頼りにUターンする人が多いのが特徴です。

 

ベンチャーよりは大企業が安心

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富士通の45歳以上の早期退職者募集が、不採算部門だけでなく、

全グループに拡大したことが報じられました。

45歳と言えば、会社の中でのポジションを築き、家庭でも子供が高校生くらいになって

これから一番お金がかかる時期です。

そんな時に、配置換えか早期退職かを選択させるのは、なかなか残酷ですね。

  

ところが、このような状況であっても、学生たちの大企業信仰は変わりません。

東大生も、頭ではコンサルを志望していながら、実際に就職するのは銀行です。

なぜ、大企業が選ばれるのか、理由は3つあります。

 

1. 「それでも大企業はベンチャーより安泰」という意識

2. 社会全体に日本企業信仰が根強い

3. テキトーに働く人こそ大企業に向いている

 

大企業は「相対的に」安泰

やはり、相対的には大企業が安泰です。

中小企業は、企業後10年で3割の会社が無くなります。

まだ大企業の方が地位が保証されていると考えても不思議ではありません。 

 

また、東芝、シャープ、富士通の没落を、対岸の火事として見ている人は多いです。

日本企業が強かった時代を知っている私たちは、

ソニーやパナソニックや日立も、上の3社と同じような道を歩むとは考えません。

 

「確かに今は日本の企業が苦戦している。けれど自分が入る企業は大丈夫だろう」

 

という思い込みから、何となく大企業に就職する人もいます。

 

日本企業信仰は根強い

就職先を聞かれた時に、名前を出して一瞬でわかってもらえるのはやはり強いです。

ネームバリューは、正月との親族との集まりで、合コンで、

あるいは、大学の同期との集まりで威力を発揮します。

 

「有名企業に勤めていれば、それだけで優遇されて良い人生が送れる」というのは

それほど間違った考えではありません。

 

多くの人が知っており、その名前に良い印象を抱いている企業に勤めていれば、

名前も覚えてもらいやすくなりますし、色々な面で有利です。

 

企業が生み出すバリューはなく、ブランドに力があるというのがポイントです。

 

「仕事はなんとなく」で良い

バリバリ働くのが自分に合っていないと感じる場合、

就職先に求めるのは、やりがいのある仕事や実力主義による高報酬ではなく、

決まった時間働いて、それなりの給料がもらえることだったりします。

 

終業後に趣味の活動に精を出したい人や、家でのんびりしたい人など、

現在は、ワークライフバランスをライフよりに考える人が増えています。

 

自分の趣味の時間を取りたい人は、年功序列の大企業で働く選択肢もあります。

 

ただし、45歳になってリストラされる可能性は考えておかなければなりません。

 

大企業でもベンチャーでも良い

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就職先を選ぶ時に、大企業かベンチャーかという軸に囚われ過ぎるのも危険です。

自分がワークライフバランスをどう考えていて、給料はどれくらいもらえれば良くて、

仕事にやりがいを求めるかどうかなどを考え、合った企業に就職すれば良いのです。

就職は運の要素もあるので、合わないと思ったらすぐに辞めて次に行くのも手です。

 

昨今の、危機感を煽る報道だけ見て、大企業を選択肢から外すのはやめましょう。

上で挙げた大企業のメリットが自分に合うなら、あなたは大企業タイプの人間かもしれません。