こんにちは、マスラオです。
突然ですが、あなたは、「目標」を立てていますか?
「目標」の立て方一つで、仕事の出来・人生における成功がかなり左右されます。
成功パターンに持ち込むために、目標について、今一度考えてみましょう。
実は、目標を立てない方が上手くいく?
目標について書くと言っておきながら、
今回の主題は、「目標設定しない方が成功する」という研究結果の紹介です。
私は、この研究をメンタリストDaiGoさんのYoutube動画を見て知ったのですが、
典拠はこちらのハーバードビジネスレビューのワーキングペーパーです。
記事で書かれていることを端的に説明すると、
明確で具体的な目標設定は、実は目標達成に悪影響である
ということです。
記事では、目標設定による弊害として、以下の5点が挙げられています。
1. 視野が狭くなる
目標を立てたは良いものの、行動しているうちに、
「結局本当の目的ってなんだったっけ?」となるパターンです。
500万円の借金を返すために、お金が必要だとします。
この借金を、たとえば、「アルバイトを頑張って500万円貯めるぞ!」
と考えるのは、非常に非効率的ですよね。
これが目標設定の弊害の一つで、どんなに非効率的な方法であっても、
一度目標を立てると、その方法しか考えられなくなります。
この例でも、「借金を返す」という目標が、
「アルバイトを頑張る」という目標に変わっていますね。
借金を返すのであれば、過払金がないか弁護士に確認してもらうこともできますし、
身内に一時的に立て替えをお願いすることもできます。
もっと給料の良い職場に転職してお金を稼ぐ方法も考えられます。
ゴールを具体的に絞り込みすぎると、本来の目標から遠ざかってしまうので注意です。
2. 倫理に反する行動を取りやすくなる
目標を絶対視しすぎると、目標達成のためにどんな手段でも取りたくなります。
これは割とわかりやすいデメリットではないかと思います。
「サイコパス」という言葉が流行りましたが、サイコパス的特性を持つ人は、
倫理に反する行動をとっても良心の呵責を感じないため、平然とラインを超えます。
出世競争で同期を踏みつけて昇進したり、
ネットワークビジネスや宗教勧誘などを、周りの人間の迷惑を顧みずに行う人は
サイコパスの典型と言えます。
彼らには、彼らなりの理屈があり、設定した目標通りに行動しているだけなのですが、
他人の目から見ると、モラルに欠けた行いを平然とする人に見えます。
3. 歪んだリスク選好
目標があまりに厳密すぎるため、なんとしても目標を達成しようとして、
追い詰められた結果、リスクの高い行動を取ってしまいがちになります。
たとえば、FXで1年間で100万円稼ごうとしたとします。
ところが、期限まで残り1ヶ月となっても、10万円しか稼げていません。
目標通りになんとしても100万円稼ごうとすると、
ハイレバレッジで取引しないと間に合わなくなってしまいます。
ハイレバレッジの取引は言うまでもなく高いリスクが付きまといます。
結果的に損をする可能性が高く、目標達成どころではありません。
目標達成を焦るあまり、危険な選択肢を選ぶのは無駄なリスクですね。
焦って1年で結果を出そうとせず、5年待ってみるなど時機を察する力を養ったり、
目標達成が無理そうなら、目標を修正すれば良いのです。
いずれにせよ、上手く行きかけていることを、
焦りで台無しにしてしまうのはよくありません。
4. 内発的動機の減退
実は、目標を設定すると、モチベーションが下がると言われています。
これは、目標が大きければ大きいほど、達成までに時間がかかるため、
モチベーションが保ちにくいという理由からです。
たとえば、「1兆円貯める」という目標と、
「1ヶ月に1万円ずつ貯める」という目標は、どちらが無謀に思えますか?
当然、前者ですよね。
目標が巨大すぎるあまり、現実の自分のとるべき行動がわからなくなり
結局動けなくなってしまうというのはよくある話です。
効果的な目標設定の方法
さて、目標設定のデメリットについて書いてきましたが、
目標をまったく立てない方が良いかというとそういう訳でもありません。
いわゆる心理学者の中でも、目標設定がポジティブな結果をもたらすか
そうでないかは意見が割れているところです。
上述の記事の中では、効果的な目標設定の方法について解説しています。
目標ではなく、「重点領域」を設定する
まず、「目標」ではなく「重点領域」を設定します。
目標というのは、達成すべきゴールを明確にすることですが、
重点領域というのは、どの行動に時間をかけるかを明確にすることです。
たとえば、泳ぎを上達させたいと考えたとき、
「50メートルを40秒で泳ごう」と考えるのが目標、
「水をかくスピードを速くしよう」と考えるのが重点領域です。
目標達成のためのプロセスとして重点領域があるというイメージはその通りですが、
目標そのものを意識せず、重点領域にだけ力を入れることで、
目標設定のデメリットに悩まされずに、目標達成することができます。
重点領域は5項目までに抑える
記事では、同時に、重点領域が多すぎると焦点がぼやけ、
注意や行動が散漫になってしまう危険性が挙げられています。
そのため、重点領域として設定するのは5個程度に抑え、
自分の行動のすべてをその5項目の行動に傾注するようにしましょう。
サラリーマンの場合、仕事は常にマルチタスクで進めているという人が
少なくないと思いますが、実はマルチタスクは集中力の大敵です。
重点領域に向かう気力が削がれてしまうので、
上司からタスクを振られたら、現在のタスクが5個以内であることを確認しましょう。
一つひとつ、集中して終わらせていけば良いのです。
結果について想いを馳せるのをやめる
重点領域とは、あくまで目標達成のためのプロセスに注力することです。
そのため、目標達成後の自分を想像したり、目標そのものについて考えてしまうと、
意識が散漫になって、重点領域に注ぐ力が削がれてしまいます。
あくまで重点領域のプロセスを行うことを楽しみましょう。
簡単なようですが、これを完璧に行うのは結構難しいです。
たとえば、ブログ執筆では、アフィリエイト収入などを考えずに、
純粋に書くことだけに集中してください。
書くのを楽しめば、自然と結果がでていきます。
重点領域を楽しんで、精神的負担から解放される
目標達成のための方法として、重点領域設定は非常に素晴らしいと思います。
ただし、それ以上に、人のメンタル面に与える影響も大きいと思っています。
日々、ノルマや目標を達成することを期待されている人々にとって、
残念ながら「仕事」というのは楽しむものではなくなっています。
重点領域を設定することで、結果は一旦度外視して、
プロセス(仕事)そのものを楽しんでみましょう。
楽しみ続けていたら、いつのまにか目標は達成できているはずです。