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『ヒストリエ』待望の新刊が7月23日に発売決定。面白すぎて寝られなくなる漫画第1位です

こんにちは、マスラオです。

続刊が待望される漫画ランキングのベスト3に常に入っているであろう漫画

『ヒストリエ』の最新刊11巻の発売日が7月23日に決定しました。

 

 

 

『ヒストリエ』ってどんな漫画? 

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古代ギリシアを舞台にした歴史漫画

紀元前4世紀の古代ギリシア世界を舞台に、

マケドニア王国のアレクサンドロス大王(アレキサンダー大王)に仕えた書記官・エウメネスの波乱の生涯を描いている。

エウメネスはプルタルコスの『英雄伝』(対比列伝)などにも登場する実在の人物である。

 

有名なアレクサンドロス大王ではなく、

彼に仕えたエウメネスという一書記官に焦点を当てた異色作です。

 

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エウメネスの子供時代から生涯を描く

 

歴史の大きな流れを描くのはもちろん、その時代に生きた人々の生活や感情など、

ミクロな部分の描写が丹念になされているのが『ヒストリエ』の特徴です。

 

作者は『寄生獣』の岩明均

作者の岩明均は、「月刊アフタヌーン」で、1995年まで『寄生獣』を連載した後、

『七夕の国』や『ヘウレーカ』など、いくつかの短中編を挟み、

2003年に『ヒストリエ』を連載開始しました。

 

 

 

デビュー作である『ゴミの海』や出世作『寄生獣』など、

メッセージ性の強い作品とともに

『雪の峠・剣の舞』、『ヘウレーカ』、そして今回の『ヒストリエ』など

歴史物にも才能を発揮する作家です。

 

「ば〜っかじゃねえの?」の漫画

Twitterや5ちゃんねるなどで使われる以下の画像の元ネタ漫画でもあります。

 

 

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この画像のシーンは、作中でもかなりシリアスな場面なのですが、

画のインパクトが強いために、ネット上ではかなり有名になりました。

 

同じく、『ヒストリエ』初で2ちゃんねるのAAになった以下のシーンもあります。

 

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『ヒストリエ』の魅力

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構成がうますぎる

主人公エウメネスの生涯を描いた作品であることは先に述べた通りですが、

必ずしも時系列で語られるわけではなく、2年後の話が唐突に挿入されたり、

そもそも漫画の始まりもエウメネスがある程度大人になったところから始まります。

 

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こういう進め方をすると、大抵は、話がゴチャゴチャになったり、

読む方はついていけなかったりするのですが、

「なぜ今この話が必要なのか」という論理が明確なため、スッと読み進められます。

 

さながら、デビッド・フィンチャーの映画を観ているような映画的な構成と、

読者の感情の昂りをコントロールすることにより、時間を忘れて読んでしまいます。

 

登場人物がかっこよすぎる

「歴史漫画」と聞くと、固そうな印象がありませんか?

 

私も、『ヒストリエ』を読むまではそうでした。

難しい言葉を使って、ヒゲを生やした人やおじいさん方がたくさん出てきて

政治や戦の話が中心で……といったように、

「歴史漫画=退屈」のイメージがなんとなくありました。

 

だけど、『ヒストリエ』という漫画は全然違います。

 

まず、登場人物の言葉遣いは、思いっきり現代風です。

現代の若者が喋っているような感じのセリフがほとんどなので、

めちゃくちゃスンナリ頭に入ってきます。

 

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また、エウメネスや、アレクサンドロス大王はじめ

登場人物は非常に若いイケメンが多く(もちろんヒゲの人もいますが……)、

古代ギリシアという背景もあり、

登場人物からの美への追求というのは、なみなみならず感じられます。

 

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若きアレクサンドロスはなかなかのイケメン

 

戦争や政治、戦略の話も本作の根幹をなす重要な要素ではありますが、

華やかで親しみやすい登場人物たちの日常生活にスポットライトをあてているのも

歴史漫画でありながら、簡単に読める理由です。

 

ストーリーは骨太

時代考証をかなり丁寧に行っていることが伺えます。

古代ギリシアというあまり人気のないテーマに踏み込んだことからも

岩明氏の情熱が伺えますね。(デビュー前から温めていた作品のようです)

 

登場する人物は、どれも実在した人物であり、

史実をもとに、岩明氏が脚色を加えて物語として魅力的にしていますが、

登場人物の心理的な駆け引きは、現代物の漫画と遜色ありません。

 

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漫画を読んでいると、登場人物がバカだと感じてしまうことが結構あるのですが、

それは作者が強引に話を進めようとして、

無理のあるセリフや行動を登場人物にとらせてしまうからだと思います。

 

『ヒストリエ』はそうした御都合主義とは無縁の漫画です。

 

刊行ペースはかなり遅い

この作品唯一の欠点は、刊行ペースが遅いことです。

新刊が発売されるだけで、こんなエントリを書いてしまうことで察してください。

次巻の発売は、確実に東京オリンピック後になることが予想されます。

 

参考までに、これまでの刊行ペースを振り返ってみましょう。

 

・1巻 2004年10月22日発売

・2巻 2004年10月22日発売

・3巻 2005年11月22日発売

・4巻 2007年7月23日発売

・5巻 2009年2月23日発売

・6巻 2010年5月21日発売

・7巻 2011年11月22日発売

・8巻 2013年8月23日発売

・9巻 2015年5月22日発売

・10巻 2017年3月23日発売

・11巻 2019年7月23日発売予定

 

ご覧のように、近年では、およそ1年半〜2年に1巻のペース、

10巻から11巻にいたっては、2年4ヶ月もの間隔があります。

 

遅筆な作家は多くいれど、ここまで刊行ペースがゆっくりな作家は思い浮かびません。

 

題材が題材だけに、緻密な時代考証が必要になるのかもしれませんが、

ファンとしては、もう少し早いペースで読みたいですね。