こんにちは、マスラオです。
「テイルズオブ」シリーズの新作『テイルズオブアライズ』が、
Unreal Engine 4で制作されることを先日お伝えしました。
年々グラフィックの進化が凄まじくなっているゲーム業界ですが、
Unreal Engine 4は、昨今のグラフィックが重視されるゲーム業界で、
常に、リッチなグラフィックを提供し続けてくれるゲームエンジンです。
Unreal Engine 4とは何か
Unreal Engineとは
「Epic Games」というゲーム会社によって開発されたゲームエンジンです。
1998年に発売されたFPS、『Unreal』の開発に使われたゲームエンジンであることからこの名がつきました。
決して、Unreal(架空の、非現実的な、いつわりの、わざとらしい)だから
Unreal Engineと名付けられたわけではないんですね。
Unreal Engine 1から始まり、2、3、4と、今までに4verリリースされています。
最も成功したビデオゲームエンジン
Unreal Engineシリーズの中でも、最新のUnreal Engine 4は、
ギネス世界記録で、「最も成功したビデオゲームエンジン」として認められています。
Unreal Engineの凄さは、
様々なゲーム会社でゲーム制作の基本ツールとして採用されているだけでなく、
NASAの宇宙飛行士訓練や、ディズニーの映画制作・テーマパークに利用されるなど、
ゲーム以外のジャンルでも存在感を示しているところにあります。
Unreal Engine 4で制作されたゲーム
近年発売された、Unreal Engine 4で開発されたゲームは以下の通りです。
ソニー、マイクロソフト、任天堂などのハードウェアの括りなく、
多くのソフトウェアメーカーが活用しているのがわかります。
・『エースコンバット7』(PC・PS4・XboxOne)
・『デモンエクスマキナ』(Switch)
・『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』(PS4・Switch)
・『ファイナルファンタジーVII リメイク』(PS4)
・『フォートナイト』(PC・PS4・XboxOne・Switch等)
・『Gears of War 4』(XboxOne)
・『キングダムハーツIII』(PS4・XboxOne)
・『オクトパストラベラー』(Switch)
・『シェンムーIII』(PC・PS4)
・『ソウルキャリバーVI』(PC・PS4・XboxOne)
・『ストリートファイターV』(PC・PS4)
・『鉄拳7』(PC・PS4・XboxOne・アーケード等)
・『ヨッシークラフトワールド』(Switch)
国内では、スクウェアエニックスが良く使っていますね。
ドラクエ・FF・キングダムハーツという三大タイトルの最新作は
すべて、Unreal Engine 4で制作されています。
また、格闘ゲームの3大巨頭、鉄拳・ストリートファイター・ソウルキャリバーも、
最新作はすべてUnreal Engine 4で開発されています。
Unreal Engine 4の凄さはどこにあるか
開発におよそ10年
2005年8月18日、Epic Gamesの副社長マーク・レインは、Unreal Engine 4が2003年から開発されていることを明らかにした。
2008年半ばまで、開発はEpic Gamesの技術ディレクターであり、
創設者のティム・スウィーニー1人だけで行われていた。
2012年2月、マーク・レインは、「今年以降、皆さんがUnreal Engine 4を見ればショックを受けるだろう」と言った。
Unreal Engine 4は2012年のGDC(Game Developers Conference)でそのベールを脱ぎ、
2012年6月7日に一般に公開された。
Unreal Engine 4は、2003年の開発開始から、2012年のリリースまで
およそ10年間に渡り開発が進められてきました。
その半分の5年間は、一人の開発者によって開発されていたというのも驚きです。
長い開発期間を経て、Unreal Engine 4は、
フォトリアルなレンダリング、ソースコード開示のユーザーフレンドリーな開発環境、
高度なAI、シネマティクス、VRに適した開発環境など提供するに至りました。
Unityよりも高性能
ゲームエンジンで有名なものといえば「Unity」が思い浮かびます。
しかし、Unreal Engine 4は、Unityよりさらにプロ仕様です。
Unreal Engine 4は、実写さながらのリアルなグラフィックに強みを見せます。
特に光源の処理が優れており、太陽の角度を変えると、自動的に夕日になったりと、
ユーザーが求めている機能を察知して提供する能力が高いです。
もともと商用ゲームで多く使われるゲームエンジンなので、
物理演算や光源処理など、一般的なゲームエンジンよりもパワフルな性能があります。
一般ユーザーも無料で利用可能
リリース後、しばらくは月額2000円程度の使用料がかかっていましたが、
現在は、将来的なアップデートもすべて含めて、無料で使用することができます。
登録や使用にあたってお金を払う必要がなく、
Unreal Engine 4で制作されたゲームが、四半期に3000ドル以上売り上げた場合は、
5%のロイヤリティを支払う必要があります。
これにより、それまでプロ=Unreal Engine 4、アマチュア=Unityだった垣根が崩れ、
一般ユーザーでも、Unreal Engine 4での開発が手軽にできるようになりました。
作ったゲームが売れなければ、Unreal Engine 4に対してお金は払わなくて良いので、
ゲームエンジンの分だけ赤字になることもありません。
動画チュートリアルが充実
Unreal Engine 4の欠点として、コミュニティに英語話者が多いことが挙げられます。
一般ユーザーのためのゲームエンジンとしてはUnityがまだ強く、
日本でUnreal Engine 4を使うのは、ゲーム業界関係者が多いのが理由です。
しかし、その欠点を覆すかのように、
動画による公式のチュートリアルが、英語ではありますが大変充実しており、
チュートリアルにしたがって手を動かしているだけで
ある程度の画面・ゲームは作れてしまいます。
ちなみに、文字でもよければ、公式のドキュメントも充実しています。
こちらは、日本語で閲覧可能です。