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FFとの明らかな差。ドラクエはなぜ日本でしか売れないのか

E3 2019の任天堂ダイレクトにおいて、スマブラの新キャラとして、ドラクエの「勇者」参戦が発表されました。

 

ところが、大盛り上がりだった国内に比べて、海外での反応は今ひとつ。

海外では、ドラクエはそれほどメジャーなタイトルではないのです。

 

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同じくスクウェア・エニックス制作の「ファイナルファンタジー」シリーズは海外でも人気なのに、ドラクエはなぜこれほど人気がないのでしょうか。

 

 

数字で見る、ドラクエの海外での存在感

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『ドラゴンクエスト』は、海外では『Dragon Warrior』という名前で販売されています

 

以下が、ドラクエ1〜11までの北米と日本それぞれでの売上本数です。

 

タイトル 北米 日本 備考
ドラゴンクエスト1 記録なし 記録なし  
ドラゴンクエスト2 15万本 241万本  
ドラゴンクエスト3 10万本 377万本  
ドラゴンクエスト4 8万本 303万本  
ドラゴンクエスト5 記録なし 165万本 リメイク版
ドラゴンクエスト6 20万本 135万本 3DS版
ドラゴンクエスト7 20万本 410万本  
ドラゴンクエスト8 65万本 361万本  
ドラゴンクエスト9 63万本 435万本  
ドラゴンクエスト10 記録なし 156万本 オンライン
ドラゴンクエスト11 29万本 325万本  

 

近年では、ドラクエ8・9が、60万本程度売れた以外は、基本的には、10〜20万本程度しか売れないタイトルになっています。

 

決して「売れないタイトル」というわけではないのですが、「人気タイトル」というほどでもない微妙な立ち位置ですね。

 

ちなみに、「ファイナルファンタジー」シリーズの売上本数を見てみると、タイトルあたりの売上本数は、日本限定ではドラクエに負けていますが、北米と合わせると凌駕しているものもあります。

また、タイトルによっては、日本よりも、北米の方が売れているものもあります。

 

タイトル 北米 日本 備考
ファイナルファンタジー1 32万本 52万本  
ファイナルファンタジー2 24万本 133万本  
ファイナルファンタジー3 86万本 255万本  
ファイナルファンタジー4 データなし データなし  
ファイナルファンタジー5 データなし 243万本  
ファイナルファンタジー6 データなし データなし  
ファイナルファンタジー7 301万本 328万本  
ファイナルファンタジー8 228万本 363万本  
ファイナルファンタジー9 162万本 278万本  
ファイナルファンタジー10 291万本 273万本  
ファイナルファンタジー10-2 192万本 211万本  
ファイナルファンタジー11 データなし データなし オンライン
ファイナルファンタジー12 188万本 233万本  
ファイナルファンタジー13 305万本 188万本  
ファイナルファンタジー13-2 78万本 89万本  
ファイナルファンタジー14 データなし データなし オンライン
ファイナルファンタジー15 253万本 106万本  

 

なぜ海外の人は、ドラクエに興味を示さないのか

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絵が子供っぽい

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ドラクエのキャラデザインと言えば、ご存知鳥山明氏です。

 

鳥山氏の代表作『ドラゴンボール』は、日本と同じくらい海外でも人気です。

 

ただ、海外では、日本以上に「アニメ=子供が見るもの」という意識が強いらしく、ドラクエのキャラクターデザインは、どうしても子供っぽくみえてしまうようです。

 

RPGをやるのは、アニメの視聴者層より高い年齢層になるので、見た目でアウトになってしまうという理由が考えられます。

 

すでに良質なRPGがたくさんある

日本では、昔からドラクエ、FFはRPGの2大巨頭ですが、海外では、『ウィザードリィ』『ウルティマ』など、本格派のRPGがありました。

 

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初代『ウルティマ』のゲーム画面

 

「剣と魔法の世界」は、RPGでは定番のジャンルですが、ビデオゲームが興隆した海外では、日本以上に本格的なRPGがすでにあったのです。

 

ドラクエは、そうした海外製RPGの良いところを取り入れて進化してきましたが、海外のファンにとって、積極的にプレイするほど新奇性を持たなかったのも事実です。

 

マーケティングの失敗

ドラクエ、FF発売当初、それぞれのゲームを発売する会社は別でした。

 

ドラクエはエニックスFFはスクウェアから発売されており、今でこそ、スクウェア・エニックスとして一つの会社になっていますが、ファミコン時代からずっと、二つの会社はライバル関係だったのです。

 

当然会社ごとに、海外戦略も異なりますが、当時から海外市場を睨み、積極的に海外でマーケティングを行ったのはスクウェアでした。

自社開発のゲームのローカライズを積極的に行い、海外にも販路を求めたのです。

 

それを証明するかのように、現在のスクウェア・エニックスでも、スクウェア側の開発するゲーム(FFやキングダムハーツ)は、海外でも非常に人気が高いです。

 

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日本人のノスタルジーに依拠している

国によって、ノスタルジーの対象は色々あると思いますが、日本においては、ドラクエ以上にノスタルジーを感じるゲームはないでしょう。

 

新作の発売がそのまま社会現象となり、現在大人になった人も、子供の頃の思い出として、「ドラゴンクエスト」は大きな存在感を持っています。

 

システム的にも、現在のRPGから見ると時代遅れな部分も多くなってきており、それこそ「バイオハザード」シリーズのように、システムを一新する思い切りがないと海外では売れないでしょう。

 

今後の海外展開はどうなる?

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ドラクエの今後の海外展開を考えた時、スマブラの「勇者」参戦によって、一つのムーブメントが起こることは間違い無いでしょう。

 

「MOTHER」シリーズや「F-ZERO」シリーズなど、かつては、コアなゲームファンにしか知られていなかったゲームが、今では一般のライトユーザーにも広く名が知れ渡っているのは、初代スマブラからずっと出続けているキャラクターだからという理由が大きいでしょう。

 

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今回のスマブラ参戦が、海外でのドラクエシリーズのプレゼンスを高め、日本においてのように、人気シリーズに育ってくれると良いと思います。

 

※海外の反応は以下の記事を参照ください

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