GamesIndustry.bizによる2019年のゲーム業界をデータで振り返る特集の中で、大手ゲーム会社が2019年に発売した新規IPの数が紹介されています。
GamesIndustry.bizの記事は以下を参照(すべて英語なので注意)。
SIEは新規IPを7本発売
グラフの中で「NR」と書かれているのは「New Releases」で、既存IPの新作を意味し、「NIP」と書かれているのが「New IP」で、新規に発売されたIPのことです。
このグラフを見ると、以下のことがわかります。
・各社とも新規IPより既存シリーズの展開に力を入れている
・特に任天堂は既存シリーズの割合が高い
・マイクロソフト・UBIソフトは、新規IPを1本も発売していない
・SONYは、新規IPが占める割合がダントツで高い
任天堂が既存シリーズに力を入れるのは、コンテンツの豊富さと強力さを考えればある意味当然のことなのかもしれませんが、マイクロソフトはファーストとしてもう少し頑張ってほしかったです。
一方で、目を引くのは、SIEの新規IPの多さ!
これだけ新規IPに積極的だと、予算計画どうなってるの?と要らぬ心配をしてしまいます。
2019年に発売されたSIEの新規IP
ここで、2019年に発売されたSIEの新規IPを振り返ってみましょう。
※発売タイトル一覧から引っ張ってきたものなので、誤りがあればご指摘ください。
新規IPと聞くと、私はなんとなくAAA級の大作をイメージしてしまうのですが、意外にもこじんまりした作品が多かったです。
おそらく、誰もが知っているのは、『Days Gone』と『DEATH STRANDING』。
多少コアなゲーマーなら、『アッシュと魔法の筆』を知っているくらいでしょう。
PS VR発売以降、SIEがVRに力を入れていることもあり、コンスタントにVR専用ゲームも発売されているようです。
ちなみに、『けだまのゴンじろー』は、SIEとコロコロコミックが手がけるメディアミックスプロジェクトの一つとして発売されたゲームです。
聞いたことのない方がほとんどではないかと思うのですが、私も今回調べて初めて知りました。
SIEががっつり子供向けタイトルを手がけるのも意外ですね。
新規IPが多ければゲーム業界は盛り上がる
「こじんまりした作品が多い」などと言いましたが、決して否定的な意味ではなく、むしろ小さな規模感のゲームこそ、新規IPからスタートしてどんどん大きくなっていってほしいものです。
近年のSIEの新規IPとしては、『Horizon Zero Dawn』が大ヒットしました。
また、来年発売される『The Last of Us PartⅡ』も、2013年に新規IPとして発売された前作の続編です。
今年発売された新規IPも、来年発売される新規IPも、『Horizon』や『The Last of Us』のようにハードを代表するゲームとなって、次世代機以降でも育っていってほしいものです。
新規IPは投資が回収できるか読みにくいので、企業体力のある会社であってもなかなか連発できないと思うのですが、SIEは、「失敗しても良いからとりあえず面白そうなら作ってみなよ」という社風なのか、非常に新規IPに積極的な会社です。
今後も、既存資産を食い潰すことなく、新しいゲーム体験を提供してほしいですね!