今回紹介するのは、モバイル用ゲーム『ザ・ファイナルタクシー』。
個人制作のゲームですが、AppStoreでは、かなりの高評価を受けているゲームです。
ゲーム概要
◾︎タイトル:ザ・ファイナルタクシー
◾︎対応ハード:iOS、Android
◾︎ジャンル:終末タクシーアドベンチャー
◾︎価格:無料(App内課金)
◾︎開発元:zxima
あなたは人類最後のタクシー運転手。文明が滅び崩壊した世界で、迷えるお客さんを目的地へと送りましょう。
運転は素早く、しかし丁寧に。未来の道路はガタガタで、荒いハンドル操作をしようものならお客さんはすぐに乗り物酔いしてしまいます。
ロボットにミュータント、幽霊に着ぐるみ・・・個性的なキャラクターたちが織りなすストーリー、街に潜む秘密、そして訪れる危機・・・。
相棒の「アントン」とゆるゆるで軽妙なトークを交わしつつ、素早く、そしてエレガントにタクシーをキメましょう。
あなたはすべての人を「目的地」に送り届け、街の運命を変えることができるでしょうか。(iOSの販売ページ説明より)
謎な世界観がクセになる
「文明が崩壊した世界」で、「タクシー運転手」をするというぶっ飛んだゲームです。
出てくる登場人物もぶっ飛んでおり、自分を人間だと思っている少年ロボットや、天才メカニック、人を殺すことを忘れた殺人ロボット、スライムのような緑のドロドロのモンスターなど個性豊かでバラエティに富んでいます。
最初は、いわゆる「バカゲー」の部類に属するゲームかと思ったのですが、上に書いたようなキャラクターたちが、相互に関係し合いながらストーリーが進行していき、意外にも世界観を活かした正統派なストーリーになっています。
説明しすぎないのもこのゲームの良さで、「なぜ文明が崩壊したのか」、「なぜタクシー運転手をやっているのか」等、登場人物に語らせることもなく、あくまでこの世界を舞台装置として使っているだけで、くどくどした説明は一切ありません。
最初は「意味がわからない」と感じる世界観も、ストーリーを進めていくうちに、やみつきになっていきます。
ゆるいドット絵が絶妙にマッチ
個人制作のゲームということもあり、「こだわりのある美麗なグラフィックか」と聞かれるとそうでもありません。
キャラクターや背景、メニュー画面は、すべてドット絵で描かれていますが、縮尺やパースは写実的でなく、むしろ線はグニャグニャしているし、描き込みも細かくはありません。
ただ、このゲームに限ってはそれが良いんです。
後述するように、キャラクター同士の会話がこのゲームの醍醐味ともいえる部分ですが、この会話がかなり気が抜けており、その雰囲気に合うのはこのグラフィックしかない、と次第に感じるようになります。
ペイントで昔描いたイラストを思わせるようなノスタルジックなデザインが、キャラクターと世界観に絶妙にマッチするのです。
シンプルだけど爽快感のあるアクション
ゲームの根幹となるアクション部分の操作は非常にシンプルです。
ハンドルを速すぎず、遅すぎない程度にぐるぐる回し、お客さんを酔わせないように目的地まで送り届けるだけ。
「ゲーム初心者でもできるようにした」という作者の言葉通り、子供でも難なくプレイできるレベルです。
運転によりゲージをためていくと、どんなに荒いハンドル操作をしても乗客が酔わない「おもてなしモード」に突入し、タクシーをかっ飛ばすことができるのですが、この状態に入ったときが最高に気持ちいい!
速度がグングン上がっていき、目的地までの距離が目に見えて縮まっていく瞬間は、このゲームの醍醐味の一つです。
シンプルなゲーム性で、ここまで気持ちいいアクションを実現できるのはさすがです。
一点だけ不満を挙げるとするなら、自分の指でハンドルが隠れ、画面が見づらいこと。指で隠れている部分にもハンドルを回す必要があるので、見えずに反応が遅れることがちょくちょくあります。
アナログパッドなんかでプレイできたら良いんですけどね。
キャラクター同士の会話が心地良い
このゲーム、アクション自体はとても単純でサクッとプレイできるのですが、先に書いたように、出てくるキャラクターがバラエティに富んでおり、彼らの会話を聞いているだけでとても楽しいです。
中でも私のお気に入りはアントン。
主人公の相棒であるタクシーで、こいつがもうバカで素直で可愛いんです。
まず、タクシーに人格がある、というところから面白いのですが、このアントンが意外に常識人で、奇想天外な乗客や主人公に対してツッコミまくります。
ゲームの世界は、あくまでゲームの世界であって、リアルとは異なりますが、リアルと異なる部分についてちゃんとツッコミを入れてくれるキャラクターは重要です。
あとは、広告表示の導入もアントンならではです。
マネタイズするためにはしょうがないのですが、基本無料ゲームってどうしても動画広告が間に挟まりますよね。
すぐに次のステージをプレイしたいのに、30秒くらい広告を見ないと次に進めないあの時間、イライラします。
このゲームも御多分に漏れず、ゲーム途中で広告が挟まるのですが、広告の入り方も斬新で、アントンが「ここでいきなりの……コマーシャルターーーイム!!!」と絶叫して始まるのです。
ここまでされたらもう笑うしかありません。
ちなみに広告は、ゲーム内でアイテムを購入するとスキップできるようになるのですが、ここまで清々しく広告を宣言されると、「一つくらいアイテムを買うか!」という気にもなりますね。