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TIME誌が発表した2010年代のベストビデオゲーム10本

2020年代に突入する直前の年である今年、ゲーム業界では、盛んに2010年代の10年間を総括する記事が書かれています。

 

TIME誌は、「ビデオゲームは、2010年代にカルチャーのサブストリームからメインストリームに進出し、すでに映画、テレビ、音楽などを超える規模になっている」としながら、この10年間で発売された傑出したゲームたちを紹介しています。

 

TIME誌が選ぶのは、時代を「規定した」と考えられるゲームたち。

いずれのタイトルも、2010年代を代表する、まさに「game of the decade(この10年のゲーム)」です。

 

 

TIME誌が選ぶ10本

今回TIME誌が、2010年代(正確には、2009年から2019年の11年間)を代表するゲームとして選んだのは以下の10本です。

 

単にGOTYを受賞していたり、売上本数が多いだけでなく、新しいゲーム体験を創造したり、それまでのゲームの概念を大きく覆したりしたゲームが選ばれています。

 

・マインクラフト(2009)

・スカイリム(2009)

・リーグオブレジェンズ(2009)

・ダークソウル(2011)

・Portal2(2011)

・グランド・セフト・オート5(2013)

・ポケモンGo(2016)

・フォートナイト(2017)

・ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド (2017)

・ディスコ・エリジウム(2019)

 

好き嫌いはあれど、「まあ、そうだろうね」というタイトルが並んでいます。

 

意外なのは、まだ発売から日が浅いのに選ばれている『ディスコ・エリジウム』。

2019年12月現在、日本語版未発売ですが、骨太なストーリーとリアルさを追求したゲームシステムで海外で大きな話題を呼んでいるオープンワールドRPGです。

 

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日本語化が待たれる『ディスコ・エリジウム』

 

2010年代を総括すると

TIME誌の選んだ10本を基準に、2010年代のゲームシーンを振り返ってみると、以下の3つの特徴があることがわかります。

 

1. オープンワールドがAAAタイトルの基本形になった

2. 市場シェアにおいて、モバイルがコンシューマーを凌駕した

3. ネットワークを前提としたゲームが増えた

 

オープンワールドがスタンダードに

「猫も杓子もFPS 」だったゼロ年代と比較して、オープンワールドの存在感がより増した10年間だったと言えるでしょう。

 

近年発売されたAAA級の大作を思い浮かべてみると、各々ゲームシステムに独自性はありつつも、ゲームデザインについては、オープンワールドを採用したゲームが多い印象があります。

 

「オープンワールド」の概念が広く知られるようになったのは、1999年『シェンムー』発売以降ですが、その後、「グランド・セフト・オート」シリーズなどの発売により、一躍人気ジャンルとして定着しました。

 

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『シェンムー』(1999年)

 

こうした流れの中、PS2の後半からHD機に以降すると、ハードスペックが劇的に上がり、家庭用ゲーム機で一つの世界を描き切ることができるほどの余裕が生まれました。

広大な世界を、高精細なグラフィックで作り上げることのできるHD機とオープンワールドの相性は最高で、2010年代以降、ゲームジャンルとして一大勢力となっていきました。

 

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広大な世界を描き切った『グランド・セフト・オート5』

 

TIME誌の10本の中にも、オープンワールドの集大成とも言える三本のゲーム、『スカイリム』、『グランド・セフト・オート5』、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド 』が選出されています。

 

オープンワールド全盛の時代は、今後もしばらく続いていくでしょう。

 

モバイルゲームがコンシューマーゲームを凌駕

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コンソールごとの市場規模(https://www.gamesindustry.biz/articles/2019-12-17-gamesindustry-biz-presents-the-year-in-numbers-2019

 

日本で特に顕著な流れですが、モバイルゲームのシェアは、完全にコンシューマーゲームを凌駕しました。

 

特に、わざわざゲーム機を買ってプレイするほどでもないライト層が多い日本では、スマートフォンゲームが盛んで、一時期は家庭用ゲーム機を駆逐してしまうのではないかと思われるほどの勢いがありました。

 

現在は、ライトゲーマー、ヘビーゲーマーで住み分けができており、コンシューマーゲームもモバイルゲームと同様毎年成長していますが、伸び率においてもモバイルゲームは圧倒的です。

 

モバイルゲームの利点は、コンシューマーゲームと比べてマネタイズが容易なこと。

初期投資も安くすみ、開発にかかる費用もコンシューマーほどではありません。

加えて、ヒットすればチャリンチャリンビジネスなので、毎月安定して利益をあげることができます。

一方、コンシューマーゲームの場合、開発に100億円かけたゲームが、鳴かず飛ばずで開発費すら回収できないこともあります。

 

2015年には、任天堂がDeNAとコンテンツ開発において協力関係を結ぶことを発表しました。

その後、2016年には、『ポケモンGo』、 『スーパーマリオラン』が発売され、かつての家庭用ゲームメーカーも、今や、モバイルゲームへの参入は必須となっています。

 

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『ポケモンGo』は、原作の世界観とも相性抜群

 

ネットワークを前提としたゲームの増加

TIME誌の10本に選ばれたゲームのほぼすべてが、ネットワークプレイが主体、またはネットワークプレイが重要な要素を占めています。

 

ネットワークの使い方も様々で、『グランド・セフト・オート5』のように、オンライン上で、フレンドや知らない人と、時間を共有したり、対戦したりするゲームもあれば、『ポケモンGo』のように、大人数で協力して敵を倒すゲームもあります。

あるいは、『マインクラフト』のように、一緒に何かを作ったり、作ったものを共有したりできるゲームもあります。

 

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メガヒットした『マインクラフト』は、SNSや動画サイトとも親和性が高い

 

ネットワークプレイが、現在のゲームのスタンダードになったからこそ、そこから派生する様々な新しい遊びが生まれてきました。

 

近年では、『フォートナイト』や『PUBG』が大ヒットしましたが、ネットワークプレイのあり方も、時代とハードのスペックに合わせて変化していくのだろうと思います。