任天堂がスマホアプリ市場に参入してから、あまり動向をウォッチしていなかったのですが、『ポケモンGO』の社会現象化だったり、『スーパーマリオラン』の「最速◯◯万ダウンロード」の煽り文句だったりと、随所に好調ぶりを感じていました。
今回、アメリカの調査会社Sensor Towerが任天堂のスマホアプリの売上について調査した結果、任天堂がスマホアプリ市場参入以来、実に1000億円もの売上高を稼いでいることがわかりました。
もっとも売上が多いのは『ファイヤーエムブレム ヒーローズ』
アプリごとの売上は下記の通りです。
1位 『ファイヤーエムブレム ヒーローズ』(約710億円)
2位 『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(約140億円)
3位 『ドラガリアロスト』(約133億円)
4位 『マリオカートツアー』(約93億円)
5位 『スーパーマリオラン』(約93億円)
6位 『ドクターマリオワールド』(約82億円)
*1ドル108円で計算
1位は、ダントツで『ファイヤーエムブレム ヒーローズ』。
任天堂のスマホアプリ全体の売上の中で、61%もの比率を占めています。
以下、2位の『どうぶつの森 ポケットキャンプ』が12%、3位の『ドラガリアロスト』が11%で続きます。
また、発売初日のダウンロード記録を打ち立てた『スーパーマリオラン』は、意外にも5位となり、全体の売上に占める割合も6%程度となりました。
熱心な固定ファンがいる「ファイヤーエムブレム」が1位なのは納得できます。
一方で、ダウンロード数を稼いでいながら、『スーパーマリオラン』のように、売上に直結していないゲームがあることもわかります。
日本とアメリカが80%以上を占める
地域ごとの売上割合ですが、日本がもっとも多く627億円(54%)。
その次に、アメリカが341億円(29%)で2位につけます。
アメリカは、もともと家庭用ゲームが強い国ですが、スマホアプリはそれほどありません。いまだに、重厚なAAAタイトルが人気です。
日本は、電車通勤すると、大体の大人がスマホとにらめっこしているように思います。
そういった意味では、日本人とスマホゲームとの親和性は高いですね。
アプリごとの売上を見ても、基本的に日本がナンバーワンのようですが、『マリオカートツアー』と『スーパーマリオラン』のみ、アメリカが1位となっています。
ダウンロード数は『ファイヤーエムブレム ヒーローズ』が最小
驚くべきことに、最大の売上をあげていながら、『ファイヤーエムブレム ヒーローズ』のダウンロード数は、全ゲームのダウンロード数のわずか4%でした。
一方、『スーパーマリオラン』は、244万ダウンロードでシェア54%、『マリオカートツアー』は、147万ダウンロードで32%でした。
『スーパーマリオラン』は、基本プレイ無料で途中まで遊べますが、以降のエピソードは買い切り型での販売であるということも影響しているかもしれません。
任天堂の屋台骨を支えるのは家庭用ゲーム機
着実にスマホアプリで稼ぐ任天堂ですが、会社全体の中での売上比率はどうなっているのでしょうか。
任天堂の公式HPに掲載されるIR情報を確認すると、2019年の売上高1兆2000億円のうち、スマホアプリの占める金額は、わずか460億円になっています。
これを見る限り、まだまだ任天堂は家庭用ゲーム機の企業だなという感じがします。
任天堂の持つキャラクター・IPを使えば、 数百万ダウンロードのスマホアプリを作ることは割と容易だと思うのですが、やはり、家庭用ゲームメーカーとしてのプライドから、クオリティが低いスマホアプリを粗製乱造すべきでないと考えているのでしょう。