中国武漢発で猛威を振るっているコロナウイルスですが、ゲーム業界への影響も日増しに大きくなってきています。
流行が収まらなければ、PS5やXbox Series Xなど2020年に発売が予定されている次世代機の発売可否も含め、さらに多くの業界内イベントに波及していくことは間違いありません。
本稿では、2020年2月27日現在でわかっているコロナウイルスのゲーム業界への影響についてまとめました。
各種イベントの延期または中止
2月6〜9日に台北で開催されるはずだった「台北ゲームショウ」は、直前になって開催延期が発表され、新たな開催日は6月になりました。
台北ゲームショウは、東京ゲームショウを超える規模の毎年30万人が訪れるアジア地域のビッグイベントです。
また、3月16〜20日にアメリカで開催予定のゲーム開発者向けイベント「Game Developers Conference(GDC)」も、SIEやコジマプロダクションが不参加を表明しています。
GDCで発表されるGOTYは、「三大GOTY」の一つと言われ、大変価値がありますが、今回のGDCは幾分盛り上がりに欠けたものとなりそうです。
多くの人が集まるゲーマー向けのイベントは、今後しばらくの間開催されなくなるか、延期されることになるでしょう。
各種ゲームの発売延期・供給不良
Nintendo Switch向けに、2020年3月6日に発売予定だった『アウターワールド』は、移植を手がけているゲーム会社であるVirtuosが、中国スタジオの当面の閉鎖を決めたため、発売日未定の延期となっています。
また、Nintendo Switch本体も同様に、中国工場の稼働率の低下により、生産遅延がおきており、現在一時的に品薄が起こっている状態です。
『リングフィットアドベンチャー』も、同様に品薄の解消見込みが立っていません。
新型コロナウイルス感染症による、Nintendo Switchなどの生産および出荷への影響について(お詫び)|サポート情報|Nintendo
3月20日発売の『あつまれ どうぶつの森』については、本体同梱セットの予約開始日が遅延していましたが、最近ようやく、発売の2週間前である3月7日から、予約開始を受け付けることが発表されました。
「Nintendo Switch あつまれ どうぶつの森セット」予約開始日延期のお知らせ(お詫び)|サポート情報|Nintendo
中国が「世界の工場」と呼ばれるようになって久しいですが、こうなってみると、いかにゲーム業界が中国頼みの経済活動を行ってきたかがよくわかります。
次世代機の価格にも影響?
さらに、コロナウイルスの影響は、次世代機にも及ぶかもしれません。
今冬発売予定の、PS5やXbox Series Xは、次世代機と呼ぶにふさわしいスペックを備えていますが、コロナウイルスの影響で原材料の価格が高騰した結果、大量生産できない状態になっているようです。
SIEは、「PS5の価格を抑えたい」という意向を持っていましたが、どうやら品薄状態の部品を調達するのにお金がかかるため、本体価格を安くすることによってライバル機と差別化を図ることは難しくなるかもしれません。